つい最近まで登山と言えば何時も二種類の地図を持参していた。登山ガイド地図と地形図だった。 登山ガイド地図はルートと所要時間などの情報が記されたものだ。自分達のヤマ屋世代では「エアリア」とだけ呼ばれる地図だ。ユポ紙で出来たそれは耐水性と耐久性を兼ねていた。正式には「昭文社発行・山と高原地図(エアリアマップ)」と言うべきだろうが誰もが単に手短に「エアリア」とだけ呼んでいた。今多分その四文字は通じないだろう。最近の同地図には「エアリアマップ」と書かれていないのだ。先日キャンピング用品に軸足を置いたアウトドア店に行った。そこで「エアリアは何処に置いていますか?」と聞いたら若い店員さんはキョトンとした。…