山川健一は1972年、商学部入学なので、その秋11月の川口君事件に遭遇している。留年してないとすれば1976年商学部卒業。 金子亜由美によれば、1977年の第二十回群像新人文学賞では、中島梓の「文学の輪郭」が評論部門の新人賞、小説部門では山川健一「鏡の中のガラスの船」と倉内保子「とても自然な、怯え方」の二つが優秀作に選ばれた。(『全共闘晩期』p86) 前年の小説部門の新人賞は村上龍「限りなく透明に近いブルー」で、それと「鏡の中のガラスの船」が似ているとされて、惜しくも優秀賞どまりだったらしい。 それはともあれ、中島梓と山川健一の二人が出現したことは、「1977年の群像新人文学賞は、『川口君事件…