鹽津城 作者:飛浩隆 河出書房新社 Amazon 『鹽津城』飛浩隆著を読む。 期待しつつ、読み切れるだろうか、理解できるだろうか、と思いつつ頁をめくる。何篇かの話を紹介。 『未の木』単身赴任している妻・杏子の元へ結婚記念日の祝いとして「未の木」という鉢植えが夫・森一から贈られていた。その木はなぜか森一の顔に似た花を咲かせる。そしてその匂いは、夫の体臭と極似していた。以心伝心ではないが、森一にも杏子から鉢植えが贈られる。その木の花は杏子に似ていて、懐かしい妻のにおいがした。「未の木」の花は夫と思われる実をたわわにつけていた。若い夫から老いた夫までさまざまな形態の実。会いに行く二人。完全なすれ違い…