「一首鑑賞」の注意書きです。 yuifall.hatenablog.com 77.「天国に行くよ」と兄が猫に言う 無職は本当に黙ってて (山川藍) これは『ねむらない樹』という雑誌の対談で花山周子が紹介していたのですが、この時 「無職は本当に黙ってて」という言葉が一人歩きしたらかなり危なっかしい表現だと思うのですが、兄とわたしという限定されたお座敷内の言葉として、つまり「わたし」の範囲の言葉として歌が引き受けていて、安易に言葉を一人歩きさせない。「無職は本当に黙ってて」は世界に対する何かなわけではない。山川さんの歌というのは、そういう、「わたし」の自己完結のあり方が、現在の閉塞しつつ拡散するよ…