むかしむかし、あるところにむかしばなしをダンスにしようとした近藤良平と、山口夏江というふたりの振付家がいました。山口夏江は『つるのおんがえし』を、近藤良平は『ねずみのすもう』と『かきのきじろべぇ』をおもしろいダンスで、おとなもこどももたのしめる作品をつくり出しました。だからでしょうか。会場はたくさんの親子連れで、にぎわいました。 山口夏江は、稲村はるに「鶴」役を与え、宮内愛に「若者」を演じるようにいいました。そして、自分は「若者の母」になりきることにしました。若者と母親のコミカルな言葉の掛け合いに、みんなは大笑い。山口は『つるのおんがえし』を面白おかしい物語へと変えてしまったのです。ですが、物…