北溟社 「現代短歌最前線 上・下」 感想の注意書きです。 yuifall.hatenablog.com 川野里子④ 夜の町に三人の影を重ねゆくわれよりわれらの寂しきことある 家族の歌の中には、こんな寂しい歌もあります。この「三人」は自分と夫と子供なのかなと思いながら読みました。一人でいるよりも三人の方が寂しいこともある。まあ、そうなんですよね。一人でいたら知ることのなかった寂しさもあります。 君の想ひにわが思慕うまく重ならずなだれむばかりの灯を積む街は この「君」は夫のことなのかな。この人の歌をこうやって200首読んで、「夫や子供を得ることで女は否応なしに変わっていかなくてはならない」という一…