二月大歌舞伎一部を観劇。入りはお寒い限りだった。まぁこの座組からある程度予想は出来たのだが、それにしても入っていない。しかし「十種香」は素晴らしい舞台だった。その感想を綴る。 幕開きはその「十種香」。魁春の八重垣姫、門之助の勝頼、孝太郎の濡衣、錦之助の謙信と云う配役。魁春の八重垣姫は東京では17年ぶりだと云う。確かに近年魁春の主演は観た記憶がない。まぁ元々女形が主役の狂言自体が少ないのだが。しかしその鬱憤を晴らすかの様な素晴らしい舞台だった。 八重垣姫は三姫の一つで女形の大役である。魁春は襲名披露公演でつとめた役である。当人も最も自信を持っている役なのだろう。まず上手屋体が開いて、勝頼の回向を…