1955年東京生まれ。アメリカ文学者、SF評論家。 コーネル大学大学院博士課程終了。慶応義塾大学文学部教授。
代表作に 『サイバーパンク・アメリカ』 『ニュー・アメリカニズム』 『アメリカ文学史のキーワード』 など。
ポーの短編集の3冊目。正直言って、怪奇小説やミステリーほど入り込めなかった。ポーがSFやファンタジーまで手を伸ばしていたとは知らなかったからである。合本なので2冊目から別世界に連れてこられた気持ちになったのも理由の一つだ。3巻目に収録されているのは、「大渦巻への落下」「使い切った男」「タール博士とフェザー教授の療法」「メルツェルのチェス・プレイヤー」「メロンタ・タウタ」「アルンハイムの地所」「灯台」。こちらは読み返すことはなさそうなので、備忘録代わりに短いあらすじを書いておく。 大渦巻への落下・灯台―ポー短編集III SF&ファンタジー編―(新潮文庫) 作者:エドガー・アラン・ポー 新潮社 A…
続けて、「ポー短編集Ⅱ」。2冊目はミステリ編で、「モルグ街の殺人」「黄金虫」の他、「盗まれた手紙」「群衆の人」「おまえが犯人だ」「ホップフロッグ」を収録している。オーギュスト・デュパンが登場する「モルグ街の殺人」はいわば探偵ものの原型で、探偵が推理を長々と話すひな型を作ったのは、このポーの作品だという。なんせ世界初の推理小説だそうだから、たぶんそうなのだろう。 モルグ街の殺人・黄金虫―ポー短編集II ミステリ編―(新潮文庫) 作者:エドガー・アラン・ポー 新潮社 Amazon 翻訳者の巽孝之さんの解説によれば、すでに犯罪小説と猟奇小説はあったが探偵小説や推理小説なるものはなかったという。推理小…
新潮文庫のエドガー・アラン・ポーの短編集を読んだ。電子書籍としては文庫全3冊を1冊の合本として売っていて、バラで買うよりは少し安かったので合本で買った。購入したのは実に2年前の8月で、入浴中に少しずつ読み進めていて先日読了した。20近い作品を一度に紹介する気にもならず、文庫にあわせて1冊ずつ紹介する。 黒猫・アッシャー家の崩壊 ポー短編集I ゴシック編 (新潮文庫) 作者:エドガー・アラン ポー 新潮社 Amazon 第1巻はゴシック編と銘打ってあって、「黒猫」「赤き死の仮面」「ライジーア」「落とし穴と振り子」「ウィリアム・ウィルソン」「アッシャー家の崩壊」を収録。ゴシックは「怪奇」と理解すれ…
大渦巻への落下・灯台 ポー短編集III SF&ファンタジー編 (新潮文庫) 作者:エドガー・アラン ポー 新潮社 Amazon ぜ~んぜ~んちがう! 大渦巻への落下 大渦巻に遭遇する3兄弟。 船ごと落下。 恐怖の6時間。 一日で総白髪に。 使い切った男 見眼麗しいスミス准将。 「お嬢様!」教えてよ、お嬢様。 完璧な容姿のスミス准将の正体。 タール博士とフェザー教授の療法 メゾン・ド・サンテ。精神病院。 患者はほぼ健常者と同じようないでたち。病院内は庭も自由に行き来できる。ひっそりと監視はされているものの、だいぶ自由を与えている。マイヤール院長の方針。 タール博士とフェザー教授の正体。 メルツェ…
モルグ街の殺人・黄金虫 ポー短編集II ミステリ編 (新潮文庫) 作者:エドガー・アラン ポー 新潮社 Amazon 殺人鬼には実体があり、物理的に逃走したんだ。 河合版がつらかったので、巽版に戻ってまいりました。 モルグ街の殺人 没落貴族の紳士デュパン。ほんとホームズ!って感じ。 暖炉に詰まってたレスパネー嬢の死体と庭に落ちてた母親の死体。 なぜか証言者の名前が太字。 「おかけなさい、お友達。」お友達なんだ。 盗まれた手紙 単純で珍妙な事件。 D大臣が盗んでいることは確実。 パリ警察は有能なんだけど、ゆえに術中にはまる。 丁か半か。 推理する人間の知性を推理される人間の知性と同一化させる方法…
黒猫・アッシャー家の崩壊 ポー短編集I ゴシック編 (新潮文庫) 作者:エドガー・アラン ポー 新潮社 Amazon この悲劇の館で死んでいくんだ。それ以外の方法はない。 黒猫 黒猫の名前はプルートー。 シベリアに送ってやりたい主人公。 とうとう奥さん埋める。 猫飼いにはつらい話。 赤き死の仮面 赤き死、伝染病。全身の毛穴から出血。赤死病?翻訳者が迷うところらしい。 とにかく籠城する王様。籠城はいいけどさー、パーティーざんまいはちょっとねー。 ライジーア 愛する姫と結婚したけど。 あれ?次の姫? 生き返る姫。 落とし穴と振り子 気絶からの覚醒。 スペイン異端審問。 ウィリアム・ウィルソン 同姓…