弱い意欲しか持たない大多数の人々は、周りの空気を読んで大勢に追従する怠惰な生き方しかしようとしない。だから世界の命運を決めるのは彼らじゃない。世界の舵取りをしたがるのは、強い意欲を持つ野心家だ。野心家は二種類で、悪人と「正義の人」がいる。野心家について、ショ-ペンハウアーはこう云ってる。 どはずれた歓喜を覚える人物はまた激しすぎる苦痛をも味わわないわけにはいくまい。というのもこの双方は一つのことの表と裏であって、ともに精神の大きな活気を条件としているからである。ショ-ペンハウアーの主著「意志と表象としての世界・正編」(西尾幹二訳・中央公論社)第五十七節から引用させていただきます。以下 57 と…