訓読 >>> 霰(あられ)打つ安良礼(あられ)松原(まつばら)住吉(すみのゑ)の弟日娘(おとひをとめ)と見れど飽かぬかも 要旨 >>> 安良礼の浜の松原は、住吉の愛らしい弟日娘と同じに、いくら見ても見飽きることがない。 鑑賞 >>> 長皇子(ながのみこ)の歌。文武天皇の慶雲3年(706年)9月から10月にかけて難波宮への行幸があり、その折のもの。摂津の住吉で、自らの旅情を慰めるため、この地にいた弟日娘(おとひをとめ)を侍らせ、一緒に安良礼松原を眺めて詠んだ歌です。「あられうつ」は、同音で「安良礼」に掛かる枕詞。実際にあられが降っていたというのではなく、「安良礼」を引き出すための、皇子による造語…