山口裕之『ひとは生命をどのように理解してきたか』(39) 今回は、第4章 機械としての生命 第4節 さまざまな力学系モデル の続き「パターンの生成と個体の生成」(p.203~)である。 山口は次のようなことを述べている。 DNA分子が担う情報には、タンパク質が具体的にどのような働きをするかと言った情報は含まれていない。それ故、情報機械モデルによっては「タンパク質からいかにして生物体が形成されていくのか」という問題については十分に理解することができない。 力学系モデルは、形態形成のメカニズムを理解するためのモデルとして非常な有効性を持っている。様々な分子が離合集散することで自己組織的に生物体があ…