彫塑 第2号(大正14年7月1日発行) 雑誌「彫塑 第2号」(大正14年7月1日発行)に「逝ける川上邦世氏に就いて」(中野桂樹)と題する記事に彫刻家 川上邦世について記載されているので紹介したい。 [以下、抜粋]・お客が来ると、お茶の代わりだと云うので、先ずお酒を出すため、天下の大小酒人が集まったものだ。酒が巡ってくると、川上先生は得意の大筆を持出し、絵の描ける人であろうが、無かろうが、そんな事は一向頓着なく、一筆やれとせめ立てる。最後に出来上がった一幅の画面こそ実に見ものなのだ。自由画で、これを評して奇談珍説、酒が進むにつれて川上先生の一人壇場であった。 ・遺憾に堪えないのは、3,4点を除く…