歌舞伎座第一部を観劇。先月の「六段目」程ではないが、入りはお寒い限りだった。緊急事態宣言下である事の影響が大きいのだろうが、第二部はチケット完売と聞く。まぁ玉孝の「東文章」は別格だろうが、こう云う地味な狂言立てこそ芝居好きには見物だと個人的には思うのだが。 幕開きは『御摂勧進帳』。芝翫の弁慶、鴈治郎の富樫、雀右衛門の義経、歌昇・男寅・歌之助・桂三の四天王、亀鶴の祐家、松江の鈍藤太と云う配役。歌舞伎十八番の『勧進帳』とは違い、荒事と滑稽味の強い狂言。グロテスクな事を明るく堂々とやってみせ、そのグロさを感じさせない好きな狂言なのだが、今はあまり受けが良くないのだろうか。 芝翫の弁慶はその堂々たる体…