八百《やほ》よろづ 神も憐《あは》れと 思ふらん 犯せる罪の それとなければ 巳の日、御禊場にて祓いをした。その時の源氏の歌🌊 〜八百万(やおよろず)の神々も わたしを哀れんでくださるでしょう これといって犯した罪はないのだから 【第12帖 須磨 すま】 八百《やほ》よろづ 神も憐《あは》れと 思ふらん 犯せる罪の それとなければ と源氏が歌い終わった時に、 風が吹き出して空が暗くなってきた。 御禊《みそぎ》の式もまだまったく終わっていなかったが 人々は立ち騒いだ。 肱笠雨《ひじがさあめ》というものらしく にわか雨が降ってきてこの上もなくあわただしい。 一行は浜べから引き上げようとするのであっ…