さらでだにあやしきほどのたそかれに荻ふく風の音ぞきこゆる 斎宮女御(徽子女王) (後拾遺和歌集 巻第四 秋上 319) 佐竹本三十六歌仙絵・斎宮女御 琴の音に峯の松風かようらし いずれの緒よりしらべそめけむ 斎宮女御集 斎宮女御徽子(きし/929~985)の家集である。厚様の楮の素紙に四種の模様を雲母で刷り出した料紙を用いた綴葉装冊子本である。歌数は百二首。歌は三行ないし四行書きにしている。書風は古様を示すが、癖が強くふるえもみられる。ほぼ同一人の書写とみられ、同一料紙を使用した「斎宮女御集」が、東京・梅沢記念館に所蔵されている。徳川光友所用。 縦19.2 横14.0 【鎌倉時代 13世紀】 …