昨日、入院した父と逢ってきました。病棟の受付で、名前と入室時間を書き、首から面会カードを提げて、開け放たれたままのドアから入り、そっとカーテンをくぐると、仰向けで、何とはなしに天井をぼーっと見上げている父がそこに居ました。 さて今からの15分・・・どうしたものか。 「お父さん、来たよ・・・」 声をかけると、虚ろな目線だけが私を捉えました。 「あのねえ・・もうすぐ、死ぬから。もうすぐ、死ぬの。」 そう言って、しきりに瞬きをしています。その様子が、まるでロボットのようで、可哀そうとか気の毒にといった人間的な感情を全部もっていかれた気分でした。 手を握ると、父もぎゅっと握り返してきました。意外とまだ…