今回も前回から続く内容です。 腰・肚というと、一度身体的にできてしまえば完成するとか、固定的なイメージを持つ人もいるかもしれませんが、保持力や鍛錬度には個人差、レベルの違いもあり、心の深層に降りていく通路、魂との統合に向かう道筋としては一生変化が続くものです。 それでは今回の内容に入ります。 5 西洋人が捉えた「肚・身心一元」の意義― 西洋の神と東洋の仏をつなぐ 幕末からの近代化により、イギリス・ドイツの近代的軍事教練を取り入れたことで衰退の一路をたどり、敗戦によって喪失した「腰・肚」文化が、日本の「道」を支えるものでした。 3で紹介したデュルクハイムは、帰国後の1954年に著した『肚 ― 人…