江戸の侍・村尾嘉陵(1760-1841)の江戸近郊日帰り旅のルートを辿るシリーズ。今回は江戸南郊の桜を見て歩いた記録である。当然、僕も桜の季節に歩くべきであったが、この日の記録を読むと、江戸からあちこちに立ち寄りながら池上本門寺まで歩いていて(もちろん徒歩で往復)、その距離の長さから二の足を踏んでいたのだ。それで代わりにずっと距離の短い文京区小日向の道栄寺から新宿区北新宿(旧柏木村)の円照寺まで花を見ながら歩いた道筋を前回辿ったわけだ。それでも「南郊看花記」は面白くて、やはり歩いてみたい。もう桜はわずかに八重桜が残るだけで、ハナミズキやツツジと新緑の季節だが、とりあえず頑張ってみることにした。…