季節の変わり目は気分一新の時 今でこそ意識は薄くなっているが、二十四節季の『秋分』の節季は、先祖を敬い祀る「彼岸」の時期だった。要するに「お墓参り」の時期である。 仏教信仰のもと、極楽浄土は西の彼方にあると信じていた、いにしえの人々が、太陽が真東から昇り、真西に沈む秋分の日を一年の中でも特に重要な日と捉えていたのもうなずける。 一方、気象学的には、高温の空気を運んでくる夏の太平洋高気圧に変わって寒冷なシベリア高気圧が勢力を増してくるため、空気が入れ替わる時期である。しかも昼と夜の時間が逆転して地上が冷やされる時間が増えてくる時期でもある。言い換えれば、寒冷な空気に入れ替わる『秋分』の節季は「秋…