北海道函館市五稜郭駅と亀田郡戸井町(現函館市)を結ぶ予定で計画された旧鉄道省線だが、計画と路盤の設置、一部施設の工事のみで開通を見ずに放棄されたいわゆる未成線。
当初、戸井町内汐首に存在した津軽要塞汐首砲台への軍物資の輸送を目的に旧陸軍の強い要望により建設が予定されたが終戦による軍と要塞の消滅により戸井線自体も存在意義を失い完成していた施設を放置したまま工事中断。後に青函トンネル計画の際、津軽海峡最短距離を考慮して戸井線を利用した大間・戸井間の東側ルートの検討もされたが今別・知内間の西側ルートに決定、戸井線はついに日の目を見ることはなかった。
現在函館市内に路盤跡を利用した自転車道や橋脚の遺構、戸井地区には巨大なコンクリート製アーチ橋やトンネルが遺構として残されている。