正徳3年6月23日。津嶋での芝居では、吉原の傾城(格式の高い遊女)の落魄、心の塞ぐ思いを見せるために盲女の首に蛇を巻き付けて舌を出し、首と尾を揺らした。歌を歌い、三弦引いた。勢州相の山の者かと、御代官は咄していた。蛇は毎日捕らえ、急所を針で突いてこの如くと云々。揚弓(柳の弓で的を射る遊び)、竹田からくり人形は大須へやって来る。渡辺九右衛門が妻子などを引き連れ、今日江戸を出発する。伊織源蔵の甥であった。