病院の待合室で、「笑いと治癒力」(ノーマン・カズンズ著 岩波現代文庫)を読んでいた。(再読) 不治の膠原病と診断され、24時間全身の関節の激痛に見舞われていた著者は、病室で滑稽な映画のフィルムを見て爆笑したところ、痛みが消えてしまったという。 効果はてき面だった。ありがたいことに、十分間腹をかかえて笑うと、少なくとも二時間は痛みを感ぜずに眠れるという効き目があった。 笑いの鎮痛効果が薄らいでくると、わたしたちはまた映写機のスイッチを入れたが、それでもう一度しばらく痛みを感ぜずにいられることが多かった。 (中略) 笑い(および積極的な情緒一般)がわたしの身体の化学作用に好影響をおよぼしていると信…