「異動は最大の研修である」という言葉がある(例えば、大阪府教育委員会2008)。つまり、異動は、職能成長につながりうる最大の機会、という意味である。この言葉を聞いて、「その通りだ」とストレートに受け止められる教師はどの程度いるであろうか。というのも、少し考えてみれば、事はそんなに単純でないとわかるはずである。異動とは、言うまでもなく配置転換のことであり、それは、単に勤務校が変わることにとどまらない。管理職や同僚、児童生徒、学校文化や価値観等を含め、多くの環境因子が一度に変わることを意味している。それらへの適応が簡単なものでないことは想像に難くない。(中原淳 監修、脇本健弘・町支大祐『教師の学び…