雑誌「ざっくばらん」の巻頭論文20選という副題のついた「天下国家を論ず」という本がある。奈須田敬著、並木書房(著者の会社)、2011年7月発行。その時期だったから、あとがきに、「現実は見るとおりの悲惨さ」、「日本国民は肩をこすりあわせて生きのびていくほかあるまい」と記しつつ、7年前の3月11日以降のボランティア活動に心を動かされたか、「九十年の歳月も決してムダではなかったと思いたい」と結んでいる。 今は亡き奈須田さんは浅草生まれで、元陸軍の飛行機乗り。これ一冊しか読んだことがないので、他に詳しい経歴等を知らないのだが、著者紹介の欄には、言論の不自由に抵触したらしくて、憲兵に捕まっている。思想的…