歌舞伎座一部の感想を綴る前に、哀しいニュースに触れなければならない。市川左團次が亡くなられた。享年八十二歳。大体男性の平均寿命位なのだろうけれど、早い。まだまだ元気な舞台姿を見せてくれるものと信じていた。このブログでも、今月初日から休演が続いているので心配だと書いたばかりだったが・・・痛恨の極みである。今月の稽古には参加していたと聞いている。ご当人にとってもさぞ無念であったろうと推察する。来月・再来月にも出演が予定されていたのに・・・突然過ぎますよ、高島屋。 義太夫味たっぷりの科白回しと、大柄な身体を生かした押し出しの良さで、脇で無類の優だった。筆者にとっては何と云っても『仮名手本忠臣蔵』の師…