明治憲法のはらんだ大きな問題点であり、日本を戦争の道へと導いたとされる「統帥権の独立」の問題。 タイトル通りに本書はこの問題を扱っているのですが、特徴は今まで注目されてきた陸軍の動きだけではなく海軍の動きも追っているところで、そこから「専門家集団としての軍」と政治の関係を描き出しています。 この問題について一通りの知識を持っている人にとってもいろいろな発見がある本で、なかなか面白いのではないかと思います。 目次は以下の通り。 第1章 統帥権独立の確立へ―一八七〇~九〇年代第2章 政党政治の拡大のなかで―一九〇〇~二〇年代第3部 軍部の政治的台頭―一九三〇年代第4章 日中戦争の泥沼―一九三七~四…