「鉄鋼業を扱った作品」の第二弾は、小野正之『鉄人伝説 小説新日鐵住金』(幻冬舎ルネッサンス、2013年)です。戦後の高度成長を支え、産業界を牽引した鉄鋼業の中心的存在であったのは、八幡製鉄と富士製鉄の合併によって世界一となった新日鐵でした。その後、ルクセンブルクのアルセロール・ミッタルや韓国のポスコなどのメーカーが急成長を遂げたため、世界6位に後退。しかし、2012年に住友金属と合併して「新日鐵住金」が成立すると、再び世界一の座に挑戦。そんな新日鐵が辿った道のりを描いたドキュンタリー小説です。なお、昔から製鐵会社は、「鉄」ではなく、「鐵」という字を使用しています。なぜならば、「鉄」は、分解する…