第44回日本アカデミー賞、最優秀作品賞と最優秀主演男優賞(草彅剛)に輝いた本作。確かに草彅剛は素晴らしかったけれど、同時に渋谷慶一郎のテーマ曲も相当素晴らしかった。私にとっては「戦場のメリークリスマス」のテーマ曲(坂本龍一)以来くらい、ラストシーンであのピアノの旋律と音が体中に一瞬で染みわたり、心が震えた。 鑑賞するまでは、トランスジェンダーの主人公が、育児放棄された親戚の少女と暮らすことになり・・という話の導入部分を聞いて、以前観た「彼らが本気で編むときは」(2017年)のような話かなと思っていた。生田斗真が女性として生きる(同棲する彼氏もいた)トランスジェンダーを演じたそれは、トランスジェ…