関東は雪はそれほどでもないものの晩秋から冬のあいだは冷たい北西の風が冬のあいだ吹きます。それを地域によってはからっ風とか呼ぶのですけど、仮に北西に遮るものがあれば冬の寒さは若干和らぎます。ので、北西に箱根山という遮るものがある小田原は明治維新以降避寒地としてうってつけで、東京に住む人が別邸を小田原に構えることがありました。小田原にはいまでもいくつか現存しています。そのうちのひとつが大正期に建てられた旧松本剛吉別邸です。 北西に箱根山があるとはいえ屋敷内は避暑の意味もあるのか緑豊かで≒植林してあって、建物のある程度が木陰になるようになっています。 くわえて庇も長いこともあって、和風の室内はあんが…