明け方の猫 (中公文庫) 作者:保坂 和志 中央公論新社 Amazon 連絡待ちの間に、こっそり、中学生が友だちから借りたエロ本を読むように『明け方の猫』保坂和志著を読む。なんで。わからん。 『明け方の猫』は、猫に変身した男の話。いかようにも書けるはずが、きわめて猫の生態にならってリアリズムを追求している。たとえば爪とぎは、そんなに気持ちのいいものなのか。と、いちいち想像してみた。 猫アングルという低い視点からの眺めは、どうなんだろう。スマートホンやデジタルビデオカメラで腹ばいになって試しに動画撮影したら、痴漢と間違えられるかもしれない。 もう一作品が『揺籃』。幻のデビュー作だそうだ。冒頭にバ…