当方が物心ついた頃に、おばあさんと呼ばれていたのは、ほぼほぼ明治に生ま れた女性たちでありました。 当方の祖母もその一人でありまして、生まれたのは1896(明治29)年で、 作家の宇野千代さんよりも一つ上となります。宇野千代さんは亡くなるまで若々 しく、美貌を保っていましたが、あの方をおばあさんと呼ぶ人はいなかったよう であります。 昭和40年代くらいまでのおばあさんといえば、小柄で、いつも地味な着物を 着ていて、じっとがまんをする人というイメージが、当方にはあります。 これは当方の祖母を見ていて感じたことかもしれません。それでいきますと、 がまんしない、派手、目立つ宇野千代さんなんて、まった…