三島由紀夫が1956年に発表した小説『金閣寺』は、金閣寺の美に取り憑かれた学僧がそれを放火するという1950年に実際に起きた事件に着想を得たもので、読売文学賞を受賞しベストセラーとなった。 人間の心理をこと細かに描き映像化不可能と呼ばれた作品を市川崑監督が果敢に映画化。金閣寺側が映画化に難色を示し、なかなかOKが出なかったため、映画では寺の名を驟閣寺に変え、題名も『炎上』に変更することになったという。 youtu.be 放火犯となる吃音の僧侶見習いの学生、溝口吾一役に時代劇の二枚目スター市川雷蔵が抜擢され、本作が市川雷蔵の初の現代劇主演となった。 長谷部慶治と和田夏十が脚色を担当し、青年が何故…