ある大学の研究室で、国文学者F先生との会話から。 F「やっと・・桜が八分咲きになって・・・ 昼間はあったかくなってきましたねぇ・・・」 私「そうですね・・・あ・・・先生にお聞きしようと思ってたんですけど、 教えていただいた子規の『墨汁一滴』を読んでたんですよね。 そうしたら、3月の記述のところに、 病床にあって外の季節を感じることも少ないであろう子規に、 春を感じさせるって言って、 伊藤佐千夫が 鯉三匹を 盥に入れて持ってくる っていう件があるんですよね」 F「うん・・・それがどうかしましたか?なにが不思議なの?」 私「いえ・・・その行為そのものは不思議じゃないんですけどね、 この佐千夫のした…