アインシュタインの相対性理論について、その核心部分を紹介させていただきます。 今回は、一般相対論により明確になった現実世界の時空構造について述べます。 8回に分けて連載させていただきますので、よろしくお願いいたします。 相対性理論のもっとも美しいところ 5 時空構造の特性 この特徴を示す端的な例として、一定速度で回転している円盤があります。その直径と円周を同じ物指を用いて測ると、円周率はπより大きくなります。なぜなら、直径方向に置かれた物指はローレンツ収縮を受けないのに、円周方向に置かれた物指はローレンツ収縮を受けるからです。そして、半径が大きい位置ほど円周方向に置かれた物指へのローレンツ収縮…