宮崎県の「美々津」は紀元二千六百年記念事業の一環として「日本海軍発祥の地」となった(1940年)。「神武東征」の出港地としての伝承による。日本帝国によるお墨付きである。だから美々津は「御津(みつ)」に由来するとも言われる。因みに大友氏が島津氏に惨敗した「耳川の合戦(1578年)」で有名な耳川の河口にある。元は美々津川といった。 但し、古事記にも日本書紀にも神武天皇は日向の地から東に向けて出発したとはあるが、美々津から出港したとは何処にも書いていない(座高千穂宮而、即自日向発/舟師東征、至速吸之門)。 「神武東征」や「景行天皇九州巡幸」の伝承は各地の地名や行事に刻印、記憶され現在に繋がっているが…