万年筆 「アイビーたるもの、持ち物や小物、アクセサリーなどにもコダワリをもち、十分に吟味したお気に入りの一品を使わなければいけない」当時のアイビー教科書などには、このような訓示がいたるところに掲載され、店主らは若い時分から洗脳をされていた。 なかでも筆記用具というのは、社会人のみならず学生でも日常づかいをする身近な存在であり、とっつきやすかった。 学生の身分でそんなに高価な筆記具を手に入れることなど到底無理な話なのだが、万年筆というものは、なんとなく大人の感じがして、シャープペンやボールペンにくらべると、安価なブランドものを手に入れることができた。 店主も学生のころからモンブランの廉価版を入手…