毛細管現象を利用し、軸内に入れたインクがペン先を伝わることにより、文字が書けるペン。
現在の万年筆の基礎を作ったのはルイス・エドソン・ウォーターマンと言われる。
ボールペンなどとは構造が違う為、筆圧が低い方が書きやすい。
主に水性インクが使われるため、紙質によってはにじみ・裏抜けなどの不具合が生じる。
また、インク詰まりの原因となるため付けペン用インクなどは使用できない。
長時間使用しないときも目詰まりを起すため、毎日少しでも使用するとよい。
ペン先には主に金が使われる。これはインクの酸に耐えるための素材として選ばれた。改良により現在はステンレスを使用したペンも多く見られる。
ペン先として最も優れるのは14金といわれるが、フランスで貴金属と認められるのは18金以上のため、18金で作られたペンも多い。
筆記時に紙にあたる部分にはイリジウムが溶接され、大量の筆記にもほとんど磨耗しない。
インクの吸入方式により、カートリッジ式、吸入式、コンバーター式、両用式(カートリッジとコンバーターの両方が使える)に分かれる。
吸入式・コンバーター式の場合は別途ボトルインクを購入する必要がある。
カートリッジは一般にボトルインクより選択肢が少なく、コストも高いが持ち運びに優れる。
コンバーターとはコンバーター式、両用式の万年筆においてインクを吸入する為のオプション機構である。
一般に一回の吸入(カートリッジの場合は1個のカートリッジ)のインク量は、コンバーター・カートリッジ・吸入式の順に多くなる。
カートリッジは各社形状が違う為自社のものしか使用できない場合が多い。
ただし、モンブラン・ペリカン・ロットリング・ウォーターマンのカートリッジは「ヨーロッパタイプ」と称される共通方式である。
ボトルインクは吸入式・コンバーター式万年筆であればどのメーカーのものでも使えるが、化学的な性質が異なる為不具合を起こす可能性がある。
このためメーカー各社は自社のインク以外の使用は推奨していない。万一他社製のインクを使うときはペン先を入念に洗浄すること。