本書の内容 ブレイクの最小結婚は「最小」なのか? 本記事はエリザベス・ブレイク(2019、原著2012)[久保田裕之監訳]『最小の結婚』白澤社についてのコメント的なものである。以下、断りがなければページ数は翻訳された本書のページ数を表している。 最小の結婚: 結婚をめぐる法と道徳 作者:ブレイク,エリザベス 白澤社 Amazon 本書は結婚について倫理学的・政治哲学的に詳細な議論を行なっている本である。訳者解説の通り、本書の中心的な問いは「結婚制度はリベラリズムと両立するのか」「両立するならば、いかなる条件においてか」(p.350f)というものである。 本記事ではまず、本書の内容を、本書の主眼…