「酷い、酷いアシュリー!」 「そうだ、あいつは酷い奴だ!」 「浮気してたなんて、許せない!」 「そうだ、ケイトを泣かすなんて許さない!」 「私じゃなくレイチェルをって、どういうことなの⁉︎」 「そうだ、ケイトのほうがグラマーなのに!」 〈ペチッ!〉 ケイトは軽く僕の頬を叩いて、まだ涙が残る笑顔を見せた。 「あースッキリした! こんな大声出したのって、初めてかも⁉︎」 彼女は背中を向けて海の方へゆっくり歩きながら、恥ずかしそうに口にした。 「不思議だな……私、ジェムにはこんな風に甘えて、不安な気持ちまでさらけ出せるなんて。きっと頼りがいがあるって、あなたのような男性ひとのことを言うのね?」 僕は…