虚無の人生の中に生きる意義と意味を見出すことができるのが美術だという話。 本間心鈴は世界に属せず虚無の中にいたが、絵画により自分を見つけることが出来た。 そして主人公により世界が照らされ、それは楽しく嬉しいものだと気付くことが出来た。 心鈴は本間家において家族と問題を抱えていたが、主人公が拗れた家族を修復する。 ヒキコモリになった心鈴の兄には、持たざる者が故の純粋な欲望を見出し創作を肯定する。 また心鈴と父親の確執については、父親が娘に持つ愛情を確かめさせる。 こうして本間家・中村家・恩田家・鳥谷家・夏目家・草薙家の長き抗争は収束された。 世界に属さない虚無の中に“生きる”意義と意味を見出す …
本間心鈴に怨恨を抱えていた恩田寧が逆に心鈴の弟子となることで美のセカイの一端に触れる話。 恩田寧は複雑な家庭環境で育ち本間家への憎悪を滾らせその娘:心鈴に対して怨恨を抱いていた。 寧の母方は美術の名家であったが寧に敷居を跨がせないのに、心鈴を弟子にして優遇していた。 それを許すことが出来ない寧は、四色型色覚を鍛え直し、一度は敗れた心鈴に復讐を誓う。 主人公は一介の教員でありながら、芸術家として寧と心鈴に責任を持ち、その勝負の仲立ちをする。 結果は心鈴の圧倒的勝利となるが、主人公は心鈴を寧の師匠にするというウルトラCを決める。 ここで語られるのは、絵画には哲学と思想が必要ということであり、寧の絵…