英文表記:TOKYO MARUI
東京都足立区綾瀬に本社をおく、現在はエアガンを中心とした玩具メーカー。
電動エアガンの販売以降、ライフル・サブマシンガン等「長物」のモデルに関してはほぼ市場を制圧した感がある。
技術の熟成により、過去に他社が失敗に終わったハンドガンサイズの電動エアガンも完成させ、さらに内部のウェイトを動かして実銃のような反動を発生させる製品の商品化にも成功した。
多くのユーザーの支持を得ているものの、外観・構造のリアルさを重視する古参のトイガンマニアからは、商品コンセプトに辛口の評価も多い。
考え抜かれた完成度の高さは国内はおろか世界市場を牽引する勢いがあるが、近年は中国・台湾などの安価な製品(構造はマルイ製品のコピーが大半)に押され、知名度程にシェアを得られていない。
東京マルイの技術やアイデアが海外のトイガン市場の方向性を左右するという状況にはまだ揺るぎは無いものの、実銃メーカーと中国・台湾のメーカーが提携するなど、海外でのビジネス的には取り残されつつある印象がある。
同社の電動ガンはモデルガン並みの外観を有しつつ安価であった為、国内外でTVや映画の小道具として頻繁に用いられ、映画監督のジェイムズ・キャメロンからも映像作品の質の向上に貢献したと評価されている。
ラジオコントロールトイも手がけており、他メーカーより安価で購入しやすいオフロードカーラジコンにはじまり、室内での走行を主眼においた小型RCカー、リアルな外観と豊富なギミックを有するRCバトルタンクシリーズを展開した。
現在は赤外線コントロールヘリコプターを展開、高性能ジャイロの搭載で初心者でも操縦しやすいという点が好評を得ている。
とりわけユニークなのはフレームにリアルな外皮をかぶせたゴジラやモスラのRCトイで、悠然とした歩行・尻尾の可動・口の可動にあわせて鳴き声を上げ、モスラに至っては糸を噴き出すなど、凝りに凝ったギミックがマニアから絶賛された。
予定されていたキングギドラの製品化が見送られた事を惜しむ声もいまだに多い。
プラモデル全盛時にはプラモデルの製造販売も行なっていた。
「スーパーカー」ブームの頃には、今現在でも通用する独特の魅力を持った完成度の高いカーモデルを多数生産していたが、ブームの終焉とともに絶版となり、マニア間では高額で取引されている。
ヒット作に恵まれない時期には他社版権のキャラクターもののモドキ商品を販売していた事もあり、とりわけ機動戦士ガンダムの類似キャラクター「モビルフォース ガンガル」が有名である。
モデルガンブーム時には組み立てキットながら外観がリアルで作動性の高い「作るモデルガン」を安価で販売し、低年齢層に好評を博した。
モデルガン市場が縮小する中、根気よく生産が続けられたが、2005年頃に製造を終了した。
「作るモデルガン」の製造終了を持って、現在はプラモデル市場からは完全に撤退している。
低年齢層が持つ高級志向にアピールする商品展開を常に意識しているとの事であり、10歳以上用エアーコッキングガンを主力商品のひとつとする事や、7歳以上対象とうたった超低パワーかつ高命中精度のエアーガンを製品化するといった事からそれがうかがえる。
同時に、高年齢層が持つ「廉価玩具への暖かい眼差し」も捕らえており、玩具メーカーの名誉とも言える親子二世代からの支持も得ている感がある。