いつもの場合は記憶をたどる際には実際の資料や本を引っ張り出して確認する。今回は無理だった。この地に引っ越す際に断捨離としてその文献を処分してしまったのだから記憶に頼るしかない。 高橋留美子の漫画は初期の習作とともにその後の二作のみ大ファンだった。「うる星やつら」「めぞん一刻」の二作だ。高校生の頃は毎週少年サンデーを買っていた。大学生になってからはビッグコミックスピリッツがそれに加わった。SFチックなドタバタ感と登場人物が魅力の前者、多感な青年期に三流私大に通う冴えない主人公と彼の憧れのアパート管理人さんとのラブストーリーを描いた後者。いずれも熱中したが恋愛に憧れた時期に読んだ後者はまさに熟読し…