柴田淳、コロナ禍と救急救命士試験を経ての4年ぶりの新譜。そして初となる武部聡志とのタッグ作。1曲目から彼女の音楽に対する全てのスタイルが大きく変わったのだと強く印象づけられる。元来彼女が持っていた昏く濡れたボーカルのスタイルはそのままに、高域へと伸びていく境目において艶やかな色がそこに大きく加わったことがよく聴いて取れた。その瞬間に本作には大きな抜け感が存在するぞと、これまでの彼女の作品とは異なる世界への期待感が高まった。そして最初に抱いたその印象はやはり最後まで変わることなく、徹頭徹尾、アップデートされた柴田淳がここに込められているのだと実感させられる仕上がりになっていた。端的な、いや、極端…