一般的な読者が柾木政宗に対して抱くイメージは〝絶賛か激怒しかいらない〟と帯に書かれたデビュー作『NO推理、NO探偵?』(講談社ノベルス)によって確立された。NO推理、NO探偵? (講談社ノベルス)作者:柾木政宗講談社Amazon 推理を封じられた女子高生探偵が助手と共に推理力以外で事件に立ち向かうメタコメディな連作短編ミステリだが、ラストにおける前代未聞のメタフーダニットは読者に強烈な印象を与えた。この路線は、続編である『ネタバレ厳禁症候群』(講談社タイガ)に引き継がれており、また出版社を変え、ラブコメミステリである朝比奈うさぎシリーズも2作書かれている。 しかし、すでにデビューから7年以上が…