はじめに 株式会社は、近代社会の核となった重要な制度だ。この制度はいつ頃どのようにして生まれたのか?また、どのような意味を持つものだったのか?ヨーロッパで始まった近代社会では、物理・化学などの科学と、それを応用した科学技術が、社会を発展させる大きな力となったことは広く認識されている。しかし一方で、株式会社や保険のような社会的なしくみも、きわめて重要だった。そのことをこの記事では説明していきたい。株式会社や保険のような社会的な制度のことを、ここでは「社会の技術」と呼ぶことにする。「社会という対象に働きかけるノウハウ」ということだ。そのノウハウの基本は「しくみづくり」「制度設計」ということである。…