2022年の読書メーター読んだ本の数:128読んだページ数:41389ナイス数:5055蒼穹のかなたに〈1〉―ピコ・デッラ・ミランドラとルネサンスの物語の感想青年貴族ピコ・デラ・ミランドラの目からみた15世紀末のフィレンツェはなんと光輝と優雅と知的興奮に満ちていたことか。アリストテレスとスコラ哲学に没頭していた彼は、コンスタンチノープル陥落後亡命した文人の齎したプラトン主義、それを奉じて謎めいた秘儀を行うフィチーノに戸惑いを隠せない。しかしそこから両者の融合と止揚を夢見て、真なるものの探求と美なるものへの憧れが両立可能なことを身をもって示そうとする。ボッティチェッリやサヴォナローラやメディチ家…