今日も朝から雨。 少し前までの、氷点下の厳しい寒さが嘘のよう。 気温はさして上がっていないのに、 湿気を多く含んだ空気が暖かいとさえ感じる。 雨がそぼ降る昼下がり、傘を差して出かける。 図書館までの道のりをゆっくりゆっくり歩く。 落ちてくる雨粒たちの邪魔にならないように。 なるべく濡れないように。 図書館の中は暖房が効いていて暑いくらいだ。 返却だけのつもりが、やっぱり新刊が気になる。 新刊の棚を見ていると、香水の香りがきつく鼻をついた。 視線を上げると、若い女性が向かいの書棚に立っていた。 暖房に湿度も手伝って、その女性からむんっと匂ってくる。 もはや香るという段階ではない。呼吸が苦しくなっ…