中公新書『定年後』を25万部売り上げ、定年後の、60歳以降の生き方を説いた楠木新さん。書名の通り、その後の70歳以降はいかに対処していけばよいかを書いた本書は『定年後』の続編にあたります。70歳に到達した著者の取材力からの思いがにじみ出ています。 キーポイントになる5つの寿命を上げていますが、一番重要なのが「人間関係寿命」でしょう。年齢を重ねるとともに、人間関係を維持できる人が減少してきます。親戚関係も縁が薄くなるし、会社関係の人たちは仕事の関係だから消滅するし、同級生も徐々にこの世から去っていきます。「人とのつながりが減るというのが、老いること」ですから、つながりを保つか新たなつながりを構築…