「謀聖 尼子経久伝」第2巻 「謀聖 尼子経久伝」武内涼 戦国時代屈指の山城・月山富田城(島根県安来市)を拠点とし、知略に長けて「謀聖」と呼ばれた戦国大名・尼子経久(あまご・つねひさ)の生き様を描く。全4巻。 家臣の山中鹿介は、毛利氏に滅ぼされた尼子氏の再興に奮闘し、志半ばで果てた悲運の武将で、忠義の人物として、戦前の小学校教科書に物語「三日月の影」が載った。その鹿介と比べ、経久の知名度は低い。そもそも、尼子氏の知名度が低い。 私も、尼子氏と言えば、子どもの頃に読んだ学習漫画「少年少女日本の歴史」(小学館)で描かれた「毛利元就に倒される悪役」というイメージしかなかった。 その経久に焦点を当てたの…