Dressed to Kill
行きずりの情事に身を任せた人妻が、エレベーター内にて惨殺された。犯人はサングラスをしたブロンドの女らしい。事件の目撃者である娼婦と、被害者の息子である少年は、協力して犯人を見つけようとするが。
デ・パルマの代表作であり、同時に傑作と推す声も高い作品。公開当時はアンチ・デ・パルマ派から「冷たくて生気がない」「ヒッチコックの模倣」「ぞっとする残酷描写」などと叩かれたが、同時にポーリン・ケイルら擁護派からも多大な支持を集めた。
鏡を使った映像、スプリット・スクリーン、スローモーション、エロティックな描写と、デ・パルマらしい描写が爆発。台詞よりも映像に頼った作りは真骨頂であろう。序盤の美術館の場面での奇妙なスリルに始まり、殺害場面や追跡場面、終盤に立て続けに描かれる緊張感たっぷりの場面など、スリリングな演出も快調。序盤の主役アンジー・ディッキンソンと中盤以降の主役ナンシー・アレンと、女優たちも美しくセクシーに撮られている。
尚、DVD及びビデオでは、公開当時に成人指定を逃れるためにカットされた残酷描写・性描写を復活させた版も出ている。